★★★ノンカイ・ナコンパノムその日暮らし(2004年冬:11日間)★★★
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 年末、師走、この何となく気ぜわしい時期何を思い立ったか海外旅行。寒い日本を脱出、タイ・ラオスの国境を流れるメコン川沿いの街をたずねた。川を眺めながらビールを飲むのもいいんじゃないかなあと。

12月17日(金):1日目
 成田空港着、指定のカウンターで通路側の座席を確保。出発まで1時間ほどだが、行き来する家族連れや外国人を見ていれば退屈することはない。出発ゲートではアラームが鳴動して、何度もゲートをくぐらされる。ようやくベルトのバックルが原因らしいと分かる。外そうとしたら制止された。この親父何する気?とか!

 座席は初体験の最後尾。各座席の液晶モニタ操作用のリモコンを暇つぶしにいろいろ触って5分程かかって使い方ばっちしマスター。

 バンコク着、持参の100ドル紙幣は透かしたり虫眼鏡のチェックを受け、無事タイ通貨バーツBに両替え(約3000B)。滞在10日間の生活費。混雑している出発(3階)/到着(1階)ロビーの中央2階の連椅子付近がうたた寝特等席である。たまに乗務員や空港関係者が行き来するぐらいで静かだし、トイレも近い。機内で確保したビールがおいしい。

12月18日(土):2日目
 起床、支度を済ませ、陸橋を渡ってドンムアン空港駅へ。早朝列車でファランポーン駅まで約1時間。駅食堂でぶっかけご飯とヌードルを食し、窓口でノンカイ行きの寝台列車切符を確保する。

 駅の外に出ると今春建設中だった地下鉄が動いている。ホームドア式、人影はまばら。黒ICコイン(50円玉ぐらい)が切符代わり。定例の暇つぶし所・ルンビニ公園まで試乗15B。

 公園着、貸しゴザ20Bで寝不足解消後、最近覚えたミニ草履作りに精を出す。回りではしゃいでいた学生がいつのまにかいなくなって、いつもの静かな公園になった。


私のお気に入りのルンビ二公園、赤い貸しゴザで寝不足解消。水のある風景は癒しになります

 昼食と早めの夕食は近くの大型スーパー内にあるフードコートで。夕食後は運動を兼ねて歩くことにする。薄暗くなって点灯されたクリスマスイルミネーションが目立つ。この時間になると道路沿いの屋台も活気づいてくる。


魚(缶詰味だった)とぶっかけご飯と果物、スーパーの食事コーナーにて

 列車は3番ホーム22時発、前の座席にはタイの母子連れ。カタコト英語で対応。母は日本向けのTシャツに刺繍をする仕事をしているとか。息子は薬屋さんらしい。折り紙で日タイ交流。

12月19日(日):3日目
 夜行列車付属のタオルケット1枚では少し寒いくらいだった。ノンカイ駅着。街中心までのトクトク30Bで交渉成立。途中で寄り道しようとするが、大声で「メコンGH!!だってばー」見覚えのある川沿のメコンGH前で下車。

 この先右手、たまたま目にしたGH100Bを見て即飛び込む。ベニア張りの薄暗い部屋、共同シャワーは了解済み。


3日間お世話になったGH。娘さんは大抵この長椅子で編み物をしていた。
時々近所の女の子が教わりにきていた。この暑い国で編み物とは?

 前回の記憶をたどっておかゆ屋さんへ直行。

 GHに戻り、寝不足解消のうたた寝とユニット折り紙30枚をこなし、昼食抜き。
川沿いにあるマーケット見学。欲しいものはないが日用雑貨、おもちゃ、洋服、土産物何でもあり。昼過ぎになるとさすがに暑い。


左隅にかろうじて見えるおばやんが黙々と釣りをしていた。晩のおかずか、売り物か。
30分以上見ていたが釣果なし。川の色見ての通りまっ茶色。

 夕食は街に出るのが面倒なのでお隣の食堂へ。ちょっとしょっぱい味付けがナンだが「メコン川&ビール」計95Bを堪能。すっかり酔っぱらってGHに戻り、バタンQ

12月20日(月):4日目
 朝食は定番おかゆ。今日は串焼き1本をプラスする。ここから歩いて15分ほどのバスセンター南側の早朝マーケットは、大にぎわい。肉、魚、果物、野菜などなど、見て回るだけで楽しい。みかんと若干の食料を買い込んでGHに戻る。ミニ草履作りとうたた寝の暇つぶしで、気分よろし。

  
  
作ったミニ草履の数々。なかなか可愛く出来たのではないでしょうか。
未熟なため、同じ形で対のものができないので売り物にはなりませんね。
一応、上部フォークを折り曲げたのが私製編み機(?)右手針(緑の頭の通し針)が編み針。
机左端の竹トンボも数機作りました。

 昼食はメコン川に面したこのGHの小さな食堂で買い込んだ食料(葉っぱにくるんだソーセージ?)20Bとビール25Bで酔っぱらう。GHの娘(と思われる)に折り紙を教える。1時間ぐらい川を眺めて退散。部屋に戻っていい気持ちでうたた寝。よく寝るね。


フォークの先に僅かに残っている食べ物がよく買ってきて食べたソーセージ
(食べる前に写真を撮るのを忘れてしまった)
酒の肴にピッタシ。中央のビール、右の折り紙。以上が暇つぶし用品ワンセットです。

  
GHの食堂から見たメコン川。食事は作ってくれないが、椅子やテーブルがあるので川を眺めながら
飲んだり食べたりすることができる。冷えた缶ビールは25B(コンビニと同料金¥75)と良心的。
昼間から川を眺めながら、酔っぱらい天国気分。


 夕方、街中へ出かけるが、めぼしい食べ物が見つからない。近くのメコンGHの食堂で「メコン川とビール」に決定。サラダとぶっかけご飯(80B)が超美味しい。ここはオススメ食堂です。ビールをやっと飲みきって宿に戻り、バタンQ。瓶ビール1本飲むのはちょっと荷が重い。年を感じる。

12月21日(火):5日目
 竹トンボ作り、折り紙の整理。今日も定番、おかゆ&早朝マーケットへ。昼食になりそうな食料を買いこむ。
 GHに戻ってごろ寝。昼はGHの食堂で買い込んだ食料とビール25B。しばらく川を眺めて酔いを醒ます。


たまたま手もとにあったピンクのヒモでミニ草履を作ってみた。見えるかな?

夕方は街中の屋台めぐりで、名物?「マンゴーのせご飯」を購入。GHに戻ってビールを飲みながらの再チャレンジだが、甘すぎー。
 明日は前回通り過ぎた、このメコン川沿い下流の街ナコンパノム訪問に決定。

12月22日(水):6日目
 早朝6時鍵を返してGHを出る。出発時のバスは2,3割の乗車率だったが、途中から私と1,2名の貸し切り状態。ガソリン補給でトイレサービス(車掌が身ぶりでトイレあるよ、行ってこい!)。12時頃、昼食タイムサービス(待ってるから、そこの食堂で食べてこい!)。合掌・感謝。延々8時間の長旅だが、退屈しなかった。低料金105B、窓外の風景、そして運ちゃんのサービス精神のせいか。

 午後2時半ナコンパノム・バスセンター着。地図と磁石で方向確認し、20分ほどで目指す時計台に遭遇。目の前のホテル泊150Bに決定。シャワー、トイレ付きのきれいな部屋で早速洗濯だ。

   
ホテル正面。この貸し自転車はちょっと高くついてしまった。ホテル裏手はアパート風のこんな感じ。
シーツやタオルは毎日交換してくれるし、石けん、水(ペットボトル)も追加してくれるのがうれしい。


街へ出てまずはインフォメーションセンター訪問。超簡易版の地図をもらう。バス停とマーケットが分かれば十分。受付女性が他の観光施設パンフレットを勧めるが、辞退。

 帰途インターネット喫茶に立ち寄る。メールは読めるが日本語入力不可のため、ローマ字メールで留守宅へ現況報告する。


 川沿いのマーケットはお土産屋さんで、ガラクタばっかし。メインの通りに出て、夕食はセブンイレブンで購入した缶ビール25Bとカオパット(タイ風チャーハン)25B。美味しくはないがお腹は一杯。

12月23日(木):7日目
 市内探訪&散歩がてら、バスセンターへ。通りがかりの屋台のおかゆが美味しい。ほの甘いドーナツ風の揚げパンもなかなかいける。計20B。途中で道に迷うが、磁石で方向確認してメコン川に出る。

 川岸に停泊している大きなはしけに乗ろうと、ダンプトラックが何度もうなりをあげて突進する。荷物の積み過ぎがミエミエ。ヒマな現地人数名も苦笑い。おおっと!こちらの川岸では魚釣りしてるよ。

   
  
タイ側の川岸は御覧のとおり、コンクリートで固められ、立派な街灯がついている。
右は、はしけに向かってうなりをあげて乗り込もうと必死のダンプカー

 通りがかりに見つけたレンタル自転車屋さん。借りた自転車で川沿いに走って街の北端にある、なんとか公園へ。ビール30Bがおいしいよー。酔っ払い運転での帰途、たまたま見つけたマーケットで食料調達。

   
  
公園は私の最も好きな暇つぶし場所。ミニ草履、竹トンボ作り、折り紙、そして美味しいビール


 GHに戻り、うたた寝で体力回復。再度市内一周して自転車返却。105B!わお!!ペーンパーイ(ちょー高い!)。1時間15Bを1日と勘違いのお粗末。
 夜8時頃市内屋台通りを偵察。すでに店しまい中。メコン川に回るが、ここは屋台禁止らしく街灯だけが点灯していた。

12月24日(金):8日目
 部屋の真向かいの自動車整備工場が朝から晩までうるさいタイミュージック。祈るようなタイ風メロディーがガンガンと。


 マーケットで食料を買って、公園へ。歩いて20分ぐらいの距離だ。この時間、暇ヒマしているのは掃除人と私だけ。午後になって昨日竹トンボをあげた少年の仲間4,5名にぱったり。カタコト英語、タイ語、日本語のちゃんぽん交流。折り紙、竹トンボ、あやとり、ふざけあいで時間が過ぎる。


公園にて。タイ語と日本語と英語のチャンポン交流をした若者2名

 帰りはマーケットに寄って夕食代わりの葉っぱでくるんだソーセージや果物などを調達する。その足でバスセンターまで行き、明日のバンコク行きの切符確保。


右手のマーケットではいつでも買い物OK。野菜、果物、肉、その他食料品なら何でもあり。
食堂もあります。ナコンパノムの台所


ランプータンとヤシの葉っぱにくるんだアンコ餅風の食べ物
(左は開封前の原型、中央下は食べかけ)。
このお餅は程よい甘さで美味しかったので、次の日も同じものを買って食べました。


ナコンパノムのメイン道路。公園から街の中心部へ向かう途中です。

12月25日(土):9日目
 荷物を整理しながら、まだ日本に帰りたくない気分。まずはマーケットで食料を調達し、連日訪問している公園へ。相も変わらず、ミニ草履、竹トンボ作り、そして、うたた寝そしてビール。16時公園を出て、バスセンター17時到着。1時間待ちでバスに乗車。
 切符にはFood券が付いていたので期待したが、お菓子、ジュースと水でとても夕食代わりとはいかない。


12月26日(日):10日目
 バスは何と早朝4時バンコク北バスターミナル着。早すぎるー。次々にバスが到着する。雑踏を眺めながら2時間ほど待つ。少し明るくなって、行動開始。
 出発ターミナルへ移動するとこれまた人人人。ここから手もとの地図を参照しながら、BTS最寄り駅方面へ歩き出す。Weekend Marketへの曲がり角のお店でバカの一つ覚えでカウパット!25B。ここで道行く人を見ながら9時まで粘る。


向こうに見える林はチャトチャック公園。
公園の塀に沿って開店準備に忙しい大きな日傘がシンボルの屋台群


 ところで、これまで作ったミニ草履どうしようか。通りがかりの道ばたで売れそうにない手作りの木の葉細工を並べているおばやんがいた。これ売り物にしてね(といっても通じたかどうか?)あげちゃうことにした。

 隣接するチャトチャック公園に入ってゴザ10Bを借り、惰眠をむさぼる。はて、その後ミニ草履がどうなったか?同じ道を通ったが、別な場所に移動したようだ。

 Marketにはいろいろな品物が売っていたが、蒸し風呂状態の迷路の中を1時間ばかり歩き回るともう頭はウニ状態。頼まれた目当てのタイシルクのスカーフは見つからない。

 ここから新設の地下鉄でファランポーン駅へ。駅前でビールと焼そばでほっとする。

 16時、切符を買ってホームへ急ぐが列車は出発したばっかし。乗り遅れで1時間以上待たされる。ついてなーい。
 空港の売店でやっとタイシルクのお土産を入手し、さあいつもの場所で寝るとしよう。

12月27日(月):11日目
 目覚まし時計鳴動する前に自然起床。搭乗手続きを済ませ、とっておいた空港使用税500Bを支払い、出発ロビーへ。飛行機はほぼ時間通り、2時過ぎに成田空港着。家に帰って昨日のタイ大津波事件を知る。

 諸行無常、、大きな災難に遭わず60年以上生きてきた自分が不思議、幸運?。


 年齢のせいと思うが、旅先での毎日をただただ、のんびりと時間を過ごすことに快感を覚えるようになってきた。空港や駅の雑踏を長い間見ていても飽きることがない。ノンカイ〜ナコンパノムの延々8時間のバス旅もそれなりに楽しめた。また、いろいろなものを作っている時間はほんとうに無心になれる。折り紙、ミニ草履、竹トンボ、あやとり、紙ブーメランなどが最近の時間つぶしの品々です。それにしても、ちゃんとタイ語を勉強しなければと反省している。食堂、市場での指差しオーダーで無言の異邦人では現地の人に失礼だと思う。しかし、なかなか勉強する気になれない。これは年齢のせいにしてはいけませんね、ハイ!。

ーおわりー
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