★★★情報処理演習の時間★★★
(→パソコン教室Topに戻る)


◆大学生

 毎週水曜日○○女子大学で情報処理演習(平たくいうとパソコンの使いかた)を教えていました。新1年生は60名です。最初に席決めをしなければなりません。学籍番号順にPC席を割り当てれば何の問題もないのですが、今回は逆に割り当てることにしました。PC1は60番の生徒、PC2は59番の生徒、、、 PC60は1番の生徒ということです。「61ー(マイナス自分の学籍番号下2桁)が自分の席ですよー!」とマイクでアナウンス。うろうろしてなかなか決まらない集団ができます。つい「大学生なんだから引き算できるでしょうがあ!!」。そういえば昨年の授業評価アンケートで「大学生なんだからどうのこうの」というフレーズを使い過ぎるというのがあった。またやってもうた。


◆パスワード
 パソコンを使うには、大学側が各生徒に付与したID、パスワードを入力する必要があります。特にPC演習日は渡されたカード必携とのガイダンスはあるが、初日に必ず忘れる生徒がいる。私は担当して5年になるが0名という年は記憶にない。今年は2名。「何もできないから帰ってもいいですよ」ということにしています。数年前はサーバー管理センターに申し出れば仮ID、仮パスワードを発行してくれましたが、ここ2,3年はそういいう(甘い)ケアもなくなりました。休み時間に生徒1名がおずおずと成績に関係するか尋ねてくる。だらだら嫌みをいうのもなんだし、教訓的なお説教は得意でないし、「よくあること、次回からきちんと課題を消化すれば大丈夫ですよ」と無難に(というか嫌われないように)答える。彼女は安心して(喜んで?)帰って行く。自分でもハッキリ言って甘いと思う。しかし2回目以降に忘れる人がいないということは、初日の失敗を反省してくれたということでしょう。まっ、そういうことにしておこう。


◆擬音
 講師のパソコン操作は生徒の横にあるモニタ画面に表示されます。ポインタの動きを表現するために勢い大げさな表現になります。「このちーっちゃい▼ボタンをカチッ!と押ーすっ」「この領域をザーックリ!と選択する」「ここにマウスポインタを当ててーっ、ハイ!斜めにズリズリズリーーッ!!と引っ張る」「ここまで引っ張ってきたらー、ここでパッ!と離ーすっ」。昔、友人に「あんたの会話には擬音が多すぎる(=語彙がすくない?)」と注意されたことがある。生徒から時に笑いが漏れるので、もっとスマートな方法があればそちらに変えたいとは思っているのですが。


◆メール
 メールにレポートを添付して提出することができるように、新入生にはメールの使い方を最初に教えます。メールソフトは一般的に使われている OutlookExpressではありません。メールに自分のアドレスとパスワードを入力して初めて読み書きができるメールソフトになります。学内サーバー運用管理の変更に伴い、ここ1年ごとにこのメールソフトが変わっています。今年になって完全にwebメールに移行しました。Yahooや Hotmailなどと同じようにHP上からメールの読み書きをします。私は、常勤講師ではないので新学期の初日になって、初めてそのメールの画面を見る事になります。ですから、時々ボロが出て「アレ、ここでどのボタン押すんだろ??」ということでアシスタント(本学3年生)に尋ねることもあります。しかし、次の授業では予習をしてきちんと教えています(単なる勉強不足の言い訳ではあるなあ)。隣同士で、あるいは自分の携帯電話とやり取りするなど、この演習はけっこう盛り上がります。


◆ビール
 演習課題を与えてからしばらくすると、ぼちぼちと質問が出始めます。生徒は与えられた課題に取り組み、疑問点があれば質問し、その疑問を一つ一つ解決しながらPCの操作法を身につけていきます。試験ではなく演習なので、分からないところは遠慮なく手を挙げて聞くように、そして、隣の人同士でも教えあうように指導しています。質問がある度にマイクで「ハーイ!よーく聞いて下さいxxxするにはXXXしまーす」と全員に分かるように答えます。それでも、また別の生徒から同じこと(先にマイクで説明したのにっ!)を聞かれます。この繰り返しが2コマ(90分x2)中に何回もあります。そんな日の夜のビールは咽の乾きも手伝って美味しいことは美味しいのですが、ちょっと複雑な後味?でもあります。


◆アシスタント
 昨年のアシスタントはPC操作レベルはまあまあだったが、何も指示しないと内職に没頭して生徒の面倒を見てくれなかった。今年のアシスタントはレベルはそれほどでもないが、良く動いてくれる。人それぞれ良いところがあるもので、それを認めてあげたい。「先生!あの子が困っているんですが!」と頼ってくると、(アシスタントならこれぐらい分かってて当たり前だろうがア)と思いつつ、「どりゃ、どりゃどした!」とアシスタントをアシストしてしまう。これが私の自尊心(ってあるのか?)をくすぐっているのかも? 何はともあれ、今年の講義が楽しいのはアシスタントの彼女の存在に負うところが大きい。「先生!この次は勉強してきまーすっ」と明るくて、すこぶる元気がいい。


◆ワード
 ワード入門で最初に教えるのはツールバーの使い方です。最初にすることは、ツールバー位置(メニューバー直下領域)で右クリックして標準ツールバー、書式設定ツールバーを表示させたり、隠したり、そして表示させた後には表示画面の左右上下位置に適宜移動することです。ワードの使いにくさは自分勝手な(マイクロソフトの勝手な)メニューの名称とその階層の深さ(操作に至るまでのタグやチェックボックスなどのクリック回数の多さ)にあります。どこにその操作コマンドがあるか覚えるのが大変なのです。そこで表を書くときは表ツールバーを表示させてから、絵を書くときは図形描画ツールバーを表示させてから、そしてそのアイコン(ボタン)の絵柄から操作コマンドを覚えるように指導しています。それを覚えればそこそこワードを使えるようになります。さらに高度な使い方はメニューからということになります。


◆化粧
 授業中はどこを見て話をしていると思いますか? きれいな子を探しながらですか? ええ、きれいな女性を見るのはもちろん嫌いではありません。しかし、現実にはそんな余裕はありません。正直、見ているようで見ていないという感じです。じっと見つめたらおかしいし、相手を見ないで話すのも失礼だし。私の場合は、大部分がモニタ画面を見ながらの説明になるので、どこを見たら良いのか困ることはないのですが、なかななむづかしいところではあります。
 はて、一番困るのはこれから彼女たちが化粧することを覚えて、だんだんきれいになってくることです。夏休みを過ぎるころにはこちらの目のやり場が困るような大胆な服装をする子もでてきます。果ては授業中に化粧をする子まで現れました。ちょっとそこまで大胆にやられると、こちらとしても示しがつきません。厳しいようですが、退席してもらいました。


◆タブの使い方
 ピアノコンサートのプログラムを作成するのが今日の課題です。最初に曲名、演奏者名等の先頭を揃えるためのタブの使い方を説明します。タブの概念はなかなか難しいので念入りに繰り返し説明してから、課題の資料作成に入るよう指示します。しかし、ある生徒が高々と手をあげて「どうするんですくぁー?」「うううっ???今説明したばっかりじゃあないですか、、、」「だってェ、先生の説明が早すぎて分からな〜い」(今まで寝てたんだろ〜が→しかし未確認→もうやってらんないよ!→むかっとして→机をバンバンバーンと叩いて)「じゃあ、もう一回だけ説明すっからヨーク聞いてなさいっ!」しかし、いつものごとく「ちょっと声を荒げちゃったかなあ。分からないところは手をあげて、遠慮なく聞くことオ!」とフォローしてしまう。


◆課題
 私の担当している授業は、休み時間の10分を挟むとは言え、90分X2=180分の長丁場です。前半の約1/4でファイル編集操作の重要ポイントを説明し、後半の3/4を文書入力作業を含めて課題資料作成の時間としています。よく理解している生徒は30分ほど残して課題を完成させますし、終了時刻間際になっても、まだまだ一生懸命作業中の生徒もいます。
 そこで、出来た生徒には、判らない人が周囲にいたら教えるように、困っている生徒には、周りの人に積極的に聞くようにと指導しています。そして、授業終了10分前になったら「完成させた人は退席してもよろしーっ!」と宣言します。一生懸命やっている生徒には酷かもしれませんが、要は結果がすべて(演習課題が出来ればOK)です。先に離席する彼女たちのちょっと晴れがましい顔、片やモニタ画面に食い入るようにして最後の仕上げに取り組んでいる真剣な顔。しかし、最終評価は提出課題の出来映えです。早くできたからいいと言うことではありません。


◆資格取得
 最近の学生は資格取得に熱心です。学校側でも関連業者に学内での有料セミナーを許可しています。どんなパソコンを買ったらいいのか、セミナーは受けた方がいいのか生徒も戸惑っています。生徒には私の授業を1年受けた後でそのようなセミナーに参加するように勧めています。ワード、エクセルがそこそこ使えるようになってから、より高度なPCの使い方や仕組みを学ぶ方がよく身につくと思うからです。学内認定業者さんには営業妨害になっているかも。


◆モニターTV
 生徒のPC操作画面は教官卓にある第2モニターで監視することができます。また、授業がない場合は生徒が自由にこのPC室を使えるようになっているので、教室全体を監視するTVカメラもついています。これは情報管理センターで生徒の行動をモニタするためということになっています。最初の講義で生徒にはそのことをあらかじめ言ってあります。
 講義中にも、インターネットで遊んでいる生徒がいますが、私は放置しています。お喋りや携帯電話の鳴動は他の生徒の迷惑になるのでダメですが、周りの生徒に迷惑でなければ、なにをしていてもよろしい。最終的には与えられた演習問題をきちんとこなせばそれでいいと考えています。提出資料はパソコン上にある教官の提出ボックスにドラッグ&ドロップで提出できるので、提出資料名を友人の名前にして再提出すれば隣で遊びほうけているこの友人を救うこともできるでしょうね。そこまで堅い?友情があれば、私の授業は難なくクリアーですね。


◆壁新聞
 例えば今日の演習課題の内容は壁新聞を作る事。奮闘記(今夢中になっていることなどのエッセイ作成)、今日の昼食(内容記述文書とインターネット検索でラーメンやカレーライスの写真をコピーして貼付け)、講義風景(演習内容記述文書と講師(私)のデジカメ写真の切り抜き貼付け。ギャラリー(両隣から添付書類て送られてきた乗り物と動物の絵をコピーして貼付け)というものをA4/2ページの壁新聞に盛り込むというものです。ほぼ1時間半の時間で仕上げます。今日の壁新聞の出来ばえが楽しみです。


◆禁止事項
 PC 教室を使う上で禁止していることは、飲み物を机の上に置かない(こぼれてキーボードをだめにする恐れがある)ぬれた傘は教室内に持ち込まない(フリーアクセスの床下の配線に悪影響あり)さらに最近携帯電話に充電しない(それほどの電力使用とは思えないが、基本的には盗電です)そして上記エッセイにも書いたように、私の場合は休み時間を含めた携帯電話音声鳴動禁止と講義時間内の化粧禁止ということにしています。もし違反したら?基本的には成績1ランクダウンと言い渡してあります。

(2008.6.20)

(→パソコン教室Topに戻る)